出産シーズンを迎えたヌーの大群が訪れるンドゥトゥ(Ndutu)。運良く数週間前に雨が降り、最高のタイミングで訪れます。
ンゴロンゴロの朝
泊まっているのはンゴロンゴロ・クレーターのロッジ。
朝から霧が深くて、今日も窓からクレーターを見渡す事は出来ません。
朝食の後は、ンゴロンゴロ・クレーターの西にあるンドゥトゥに向けて出発です。
2月から3月上旬は、ヌーの出産シーズン。ンドゥトゥは、出産シーズンを迎えたヌーたちが訪れる場所です。
ヌーの移動は雨に左右されるため、訪れるタイミングが難しく、当たり外れの激しいエリアでもあります。運が良ければ、たくさんのヌーの赤ちゃんを観られるかもしれません。
ヌーの大群に遭遇
雨の中を走ると、背の高い木ばかりが生える森のような場所にやってきました。
突然木々の間から、ヌーの群れが飛び出してきました。
全速力で駆け抜けていきます。まだ生まれてまもない赤ちゃんも、必死に群れについて走ります。
静かに草を食べるキリン。
しばらくすると、後から来たサファリカーの音に驚いて逃げていってしまいました。体型の割に、足が速くてびっくり。
森を抜けると平原に出ました。
どこまでも続く大地に、見渡す限りのヌー。雨が降って嬉しいのか、生き生きとしています。
エランド。ヌーよりひとまわり大きな動物です。
雨の中、大股で歩く大きな鳥を発見。ヘビクイワシです。
草むらに、ジャッカルがいました。見た目も仕草もまるで犬のよう。可愛い。
森を抜けて、開けた場所にやってきました。
サファリカーのそばにゾウがいます。
こちらは親子。子ゾウのつぶらな瞳がたまりません。
広場に1匹、眠そうなライオンがいました。この雄ライオンに仲間はいるのでしょうか。
突然、丘の向こうからヌーの大群が全速力でやってきました。
体の大きな大人達が、親子を内側に隠そうと前に出てきます。
サファリカーも集まってきました。
すぐ側の丘では、ハゲワシとハゲコウがお食事中。ヌーの死骸から内臓を引っ張り出して、奪い合いをしていました。
私達も、別の丘でランチタイムにしました。
チーターのハンティングを目撃
午後。サファカーの集まる場所にやってきました。
木陰に、チーターが3匹います!こんなに近くで見られるなんて、ラッキー過ぎる。
チーターの後方を、ゆっくりとヌーの群れが移動していきます。
1頭のチーターが立ち上がり、静かに歩き始めました。
もしや、ハンティングでしょうか。
少しずつ、少しずつ距離を縮めたところで、突然走り出しました。チーターに気づいたヌー達は、一瞬呆然と立ち尽くした後、慌てて一斉に走り出します。
残りの2頭も飛び出しました。どうやら、後方の1頭と前方の2頭で挟み撃ちにするようです。
地上の大騒ぎを聞きつけたハゲワシとハゲコウが、上空で弧を描きながら成り行きを伺っています。
大人のヌーを捕らえました。
捕まったヌーは鳴きながら頭を上げて、それから静かになりました。
ヌーたちは、少し離れた場所から一部始終をじっと見ていましたが、しばらくすると何事もなかったかのように、再び草を食べ始めました。
チーターは、食事の時も素晴らしいチームワーク。
1匹が食べている間に、別の1匹がすぐ側で見張りをし、残りの1匹はかなり遠くで見張りをしています。しばらくすると、順にポジションを交代していました。
本来チーターは単独でハンティングをしますが、親から独立したばかりの若いチーターたちは、しばらく一緒に狩をする事もあるそう。
ハンティングは一瞬の出来事かと思いきや、動き始めてから捕まるまでに5分、捕まえてから食べ始めるまでに1時間もかかりました。
そもそもアフリカに行けばハンティングなど簡単に見られると思っていたのですが、実際のところ、肉食獣に遭遇するのは結構難しいです。
ドキュメンタリー番組は、時間と手間と忍耐と運の結晶なんでしょうね。
チーターの食事を観た後は、今日の宿泊地に向かいます。
とても小さなキツネの集団がいます。
オオミミギツネです。好物はアリ。正面から見ると結構渋い顔をしています。
再びサファリカーの集まるところにやってきました。どうやらまた別のチーターです。
2匹はとても仲良し。くっついてじゃれあっていました。
既にハンティングを観る事が出来て大満足なので、そこそこで切り上げてロッジに向かう事にしました。
アフリカの夜の森でグランピング
今日の宿は、チャカ・キャンプ(Chaka Camp)。
ベッド、シャワー、トイレまでテント内に設置されています。トイレは水洗式。
バスタオルやフェイスタオルも完備されていて、世界中のプラグに対応したコンセントもありました。
Wi-Fiもありますが、ンゴロンゴロに比べてかなり遅く、あまり使えません。
涼しい森の中で、まるでキャンプに来たみたい。
テントの前の椅子に座り、今日撮った写真を整理していると、ヌーの群れがやって来ました。
車の中からでなく直に動物に会えるなんて、なんだか嬉しい。
そのまま静かに座っていると、続いて隣のテントの周りにインパラの群れがやって来ました。
テントの前の木が折れているのは数日前、ここに象の群れがやってきて、木を倒してしまったのだとか。
日が暮れて来ました。
夕日が最高に美しいです。
夜はンゴロンゴロより寒く、かなり冷え込みます。ベッドの中には湯たんぽが用意されていました。
真夜中、テントの外からは鳥の声、虫の声、ヌーの声が聞こえてきました。
この旅で1番質素な宿でしたが、1番面白い体験ができました。
タンザニア旅行記