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トプカプ宮殿の行き方|入場料、所要時間、ハレムの歴史を徹底解説!【2018年版】

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イスタンブールの見どころは、モスクだけではない。旧市街にある「トプカプ宮殿」は、トルコで600年以上栄えたオスマン帝国の皇帝によって建てられた美しい宮殿だ。宮殿内では、ヨーロッパ中から集められた女性たちが暮らした「ハレム」や、当時の栄華を偲ばせる煌びやかな財宝を見ることができる。トプカプ宮殿の行き方、料金、営業時間、所要時間からトプカプ宮殿の歴史や見どころを紹介する。

 

トプカプ宮殿て何?

トプカプ宮殿は、オスマン帝国の歴代皇帝が暮らした宮殿だ。オスマン帝国とは、現在のトルコ共和国が誕生するまでイスタンブールを支配していた大帝国である。ルネサンスや鎌倉時代から、第一世界大戦まで続いた歴史の長い国で、最盛期には、今のハンガリーやギリシャ、ウクライナ、エジプトまで支配していた。

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しかし栄華を誇ったオスマン帝国も、時代の流れとともに弱体化していく。20世紀になると第1次世界大戦に敗れ、支配下にあった国々は次々と独立し、更に独立したギリシャからは攻め込まれてしまう。

この時ギリシャと対抗したのが、トルコの初代大統領アタチュルク。アタチュルクは最終的にギリシャと休戦し、現在のトルコ共和国を建国した。オスマン帝国の皇帝は国外に追放され、トプカプ宮殿は博物館として一般公開されることになった。現在のトプカプ宮殿は、オスマン帝国の栄華を今に伝える観光名所となっている。

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行き方・入り口

トプカプ宮殿があるのはイスタンブールの旧市街。観光名所が密集するエリアにある。アヤソフィアからは歩いてすぐ、ブルーモスクからは歩いて10分ほど。トラムの最寄駅はT1の「Sultanahmet」駅か「Gülhane」駅。どちらからでも歩いて5分くらい。

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トプカプ宮殿敷地内への入り口は、アヤソフィア側にある「帝王の門」。そこからチケット売り場のある「挨拶の門」まで歩いていく。

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入り口「帝王の門」。ここは無料で通過できる。

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「帝王の門」をくぐり第一の庭を歩いていくと「挨拶の門」が現れる。

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「挨拶の門」より先は有料。門の前のチケット売り場でチケットを購入する。

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入場料

入場料と、ハレムの入場料は別料金になっている。とはいえハレムはトプカプ宮殿最大の見どころなので、せっかくなら入った方がいいと思う。

トプカプ宮殿 ハレム ミュージアムパス
40TL 25TL 125TL

〈※2018年9月時点 〉

イスタンブールのミュージアムをいくつか巡る予定なら、ミュージアムパスもおすすめ。トプカプ宮殿、ハレム、アヤソフィアなどの共通チケットになっている。トプカプ宮殿のチケット売り場や他のミュージアムで購入可能。

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85TLから125TLに値上がりしていたが、トプカプ宮殿、ハレム、アヤソフィアとあと1つどこかに入れば元が取れる。有効期限は5日間。一度どこかのミュージアムで買ってしまえば、後はチケット購入の列に並ばずに入場できる。トプカプ宮殿のチケット売り場はかなり混むので、前日までに空いているミュージアムで購入しておくと便利。対象のミュージアムはこちら。

トプカプ宮殿、ハレム、アヤソフィア、考古学博物館、アギヤ・イリニ聖堂、トルコ・イスラム美術館、モザイク博物館、イスラム科学技術博物館、カーリエ博物館、ガラタメヴラーリ博物館、フェトヒイェ博物館、ルメリ・ヒサル博物館、ユルドゥズ宮殿 (※入場できるのは各1回ずつ)

オーディオガイドは必須

チケットを購入したら「挨拶の門」から入場する。その際に簡単な手荷物検査を受ける。

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検査を受け門を通過すると、オーディオガイドの貸し出し所があるので、ここでガイドを借りると良い。

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トプカプ宮殿には、案内板や説明書きがほとんどない。一体この部屋は何のために建てられたのか?ここで一体何が行われていたのか?それを知りたければオーディオガイドは必須。あるのとないのでは、面白さが全然違う。

オーディオガイドを借りるには、パスポートなどの身分証をデポジットとして預ける必要があるので忘れずに!コピーは不可だった。

レンタル料: 30TL(ハレムの解説なしは20TL)

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営業時間・休館日

夏期

9:00~19:00(ハレムは18:30。チケット販売は18:00まで。)

冬期

9:00~17:00(ハレムは16:30。チケット販売は16:00まで。)

定休 火曜日

〈※2018年9月時点 〉

トプカプ宮殿はかなり混む。時期によってはチケットを買うだけで2時間待ちのような悲惨な混み方をする。おすすめは、開館と同時に入りること。朝は比較的空いているようだ。

訪れたのは9月の平日朝9時半頃。まだ全然並んでいない。

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昼過ぎ。チケット売り場から続く行列が、カフェの横まで伸びていた。8月に比べれば、これでもまだ良い方だろう。

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トプカプ宮殿の見取り図

入り口「挨拶の門」を抜けると「第二の庭」にやって来る。ここには最大の見どころ「ハレム」の入り口がある。更に奥の「幸福の門」を抜けると、宝物館や聖遺物館のある「第三の庭」、レストランのある「第四の庭」へと続いている。

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特に混むのはハレムと宝物館。午前中の早い時間帯に、先にこの2つを見てしまうのがおすすめ。

“禁じられた場所” ハレム

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“禁じられた場所”の意味をもつハレム。ハーレムの語源にもなっている。ここは、皇帝に捧げるために、異国から奴隷として連れてこられた女性たちが暮らす場所だった。イスラム教では、イスラム教徒を奴隷にすることができないため、連れてこられた女性たちはキリスト教などの異教徒ばかり。奴隷市場や捕虜、他国からの献上によって集められた。

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オスマン帝国では、皇帝は誰とも結婚せずに、ハレムの女性たちとの間にたくさん子供を持つのが慣習だった。そして皇帝が亡くなると、子供たちの中から次の皇帝が選ばれ、残りの子供たちは殺されてしまうのだった。そしてハレムの女性達は、奴隷という身分ながら、自分の子供が皇帝になればその母親として政治を操ることも可能だった。ハレムでは、皇帝の愛を勝ち取り、自分の子を皇帝にするための血生臭い争いが絶えなかった。

こちらが見取り図。観光客が訪れることができるのはピンク色の部分のみ。過去に起きた火災でかなりの損傷を受け、敷地のほとんどが修復中だ。

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「黒人宦官の部屋」は、エジプトから連れてこられた奴隷である。去勢され、ハレムの女性たちの世話を任されていた。ハレムに入ることが許される男性は、皇帝、皇子、そして宦官だけだったそう。通路には暗くて小さい部屋が並んでいた。
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「母后の部屋」は、皇帝の母親(母后)が住んでいた部屋。ハレムの女性には階級制度があり、皇帝に献上されたことがあるか、子供を産んだかどうかで与えられる部屋や暮らしが違った。中でも1番強い立場にあったのが母后。ハレムの奴隷であることに変わりないが、時には皇帝である息子の裏で、政治を操ることもあった。奴隷といえど、登り詰めれば母后になれる。その座を巡って、ハレムでは嫉妬や策略が尽きなかったようだ。

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「皇帝の間」は、ハレムで最も大きく煌びやかな部屋だ。皇帝は、ここで自分の母親や妻とその子供たち、そしてお気に入りの女性たちと面会していた。さすが皇帝の部屋、とても豪華。

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「ムラト三世の部屋」は、トルコで最も有名な建築家ミマール・スィナンによって作られた部屋。スィナンは元々キリスト教徒だったが、徴兵され改宗し、オスマン軍として戦場で塀や橋の建造に携わった。腕を見込まれたスィナンはオスマン帝国直属の建築家となり、数えきれないほどの作品をイスタンブールに残している。

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オスマン帝国では兄弟殺しが認められていて、次の皇帝が決まると、皇帝の他の子供たちは殺されてしまうのが常だった。時代が進むにつれ兄弟殺しは無くなるが、代わりにハレムの一角「皇子の部屋」に幽閉されるようになった。黄金の鳥籠とも呼ばれた狭い部屋での幽閉生活で、気が触れてしまうことも少なくなかったとか。

1番最後の区画にあるのは広々とした中庭。その横には皇帝のお気に入りの女性たちが暮らしていた「寵姫たちの部屋」がある。

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煌びやかなのに、どこか薄暗く閉鎖的なハレム。身寄りもなく、外に出ることもなくここで暮らしていくなんて、本当に息が詰まりそう。

ハレム以外の見どころ

トプカプ宮殿はハレム以外にも見どころがたくさん。順に紹介していく。

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第二の庭は、政治や公的行事が行われた場所。中央にそびえ立つのは「正義の塔」。その下にあるのは「会議の間」。大臣達によって会議が行われていた場所だ。

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皇帝は、会議室の奥にある窓から会議を聞いていたそう。オスマン帝国の皇帝は、600年という歴史の中で、次第に政治を部下や母親に任せきりにしてしまう。それがオスマン帝国衰退の原因のひとつと言われている。

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第三の庭に通じるのは「幸福の門」。これより先は、皇帝のプライベートな空間だった。

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幸福の門の真裏にあるのは「謁見の間」。海外から来た大使などが、皇帝に謁見した場所だ。

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第三の庭の真ん中にあるのは図書館。王室の人のために、コーランや神学などの学術書が3000冊以上収められていたそう。比較的新しい建物だからか、明るくて繊細で色使いがおしゃれ。

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「宝物館」には、オスマン帝国の至宝が展示されている。オスマン帝国は、歴史上侵略や略奪をほとんど受けることがなかったため、財宝のほとんどが今もイスタンブールに残っている。世界の遺跡や財宝の多くが、ロンドンの大英博物館やパリのルーブル美術館など当時力を持っていた国のミュージアムに収められていることを考えると、かなり珍しいことかもしれない。宝物館では、オスマン帝国の贅を尽くした装飾品やエメラルドに彩られた美しい品々、そして86カラットの眩いダイヤモンドを見ることができる。訪れた時は改装中で、中に入れず。悔しい思いをした。

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かわりに2019年3月、東京で行われているトルコ至宝展で、宝の一部を見ることができた。

宝物館の向かいにある「聖遺物館」は、オスマン帝国に伝わる聖遺物がある場所。展示されているのはセリム1世がメッカを征服した時に持ち帰った預言者ムハンマドの足型、モーゼの杖、聖ヨハネの腕など。本物なの?と疑いたくなるものばかりだったが、中はすごい人混みで、まるで日曜日の美術館状態。展示物になかなか近づけない。内部は撮影禁止だった。

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第四の庭とそこに建てられたキョシュクは、皇帝やその家族にとって更にプライベートなエリア。キョシュクとは、ペルシャやインドの庭園なんかでよく見る開放的で小さな建物のことで、キオスクの語源なんだとか。

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第四の庭から見る景色がいい感じ。金角湾とボスポラス海峡がよく見える。

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カフェ「コンヤル」

第四の庭の一番奥にあるのはトルコ料理レストラン「コンヤル(Konyali )」。

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結構人気のお店でお値段も高め。ガラス張りで室内なので、ここでランチにして涼もうとしたら、既に予約客で満席だった。

レストランの隣にはカフェテリア的なものもある。こちらも味の割にはお値段高め。

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カフェテリアの席は残念ながら全て開放的な屋外だが、景色はなかなか良い感じ。

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ボスポラス海峡を行き交う船を眺めながら、ジェラートを頂いた。観光中に、ひと息つくにはぴったりの場所だ。

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ギフトショップ

チケット売り場の横にはギフトショップがある。

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ただ、いまいちこれといって欲しいものがなかった。トプカプ宮殿の素敵なデザインを使って、おしゃれなグッズなんていくらでも作れそうなのに。

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横にはちょっとしたカフェもあった。トルコの伝統菓子ロクムやコーヒーと一緒に休憩できる。
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所用時間は3時間程度

トプカプ宮殿はかなり広く、一回の訪問で全てを見るのは厳しい。特にハレムは見どころが多く、オーディオガイドを聴きながら歩いていると、それだけで1時間くらいかかる。3時間くらい見ていると、人混みに疲れてきてしまうだろう。あまり無理せずに、観たいエリアから優先的に見ると良いと思う。